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スリープレス


SLEEPLESS
aka:Non Ho Sonno
I Can't Sleep(I'm not Sleepy)



<はじめに>


ダリオ・アルジェントの
「スリープレス(ノノソンノ)」推理映画です。
もちろん、
マトモな推理映画ではありませんが、それなりの仕掛けがあります。
犯人探しと見せかけて、実は推理なんて完全に不可能な
「スクリーム」や「ラストサマー」などのスラッシャー映画とは
若干、違う作りになっています。もう公開まですぐですし、字幕なしのDVDで
鑑賞された方の手引き?として
犯人がほぼ特定できる記述を載せました。
このページの下部、反転してある部分をご覧になると
もしかしたら
犯人が分かってしまうかもしれません。いや、絶対に分かります
実際に映画を見るまでは、犯人なんて知りたくない!と仰る方は
このページの内容をご覧にならないで下さい。お願い致します。



2000年度/イタリア映画/カラー・113分(日本版117分)/
ステレオ/ヴィスタサイズ/DVD(イタリア版:メドゥーサ)

製作総指揮:クラウディオ・アルジェント
監督・製作:ダリオ・アルジェント
原案:ダリオ・アルジェント/
フランコ・フェリーニ
脚本:ダリオ・アルジェント/
フランコ・フェリーニ/カルロ・ルカレッリ
撮影:
ロニー・テイラー
編集:
アンナ・ローザ・ナポリ
美術:マッシモ・アントネッロ・ジェレング
音楽:
ゴブリン
アゴスティーノ・マランゴロ/マッシモ・モランテ/
ファビオ・ピニャッテリ/クラウディオ・シモネッティ

プロダクション・マネージャー:トマッソ・カレーヴィ
特殊効果:
セルジョ・スティヴァレッティ
特殊効果アシスタント:
ダヴィッド・ブラッキ

衣装:
スージー・モットリーニ
サウンド:トゥリオ・モルガンティ
助監督:リカルド・カンノーネ
第2班監督:マルツィオ・カーザ

「動物農場」童謡の作者:
アーシア・アルジェント
音楽コンサルタント:チンジア・カヴァリエーリ
スクリプト・スーパーヴァイザー:フェルナンダ・セルヴァッジ
ロケーション・マネージャー:ラディス・ザニーニ

出演

マックス・フォン・シドウ(ユリシース・モレッティ部)
ステファノ・ディオニージ(ジャコモ・ガッロ)
シアラ・カセーリ(グロリア)
ガブリエレ・ラヴィア(アットロニー・ベッティ氏)
ロッセラ・ファルク(ラウラ・デ・ファブリティス夫人)
パオロ・マリア・スカロンドロ(マンニ警部)
ロベルト・ジベッティ(ロレンゾ・ベッティ)
ロベルト・アッコルネーロ(ファウスト)
マッシモ・サルキエリ(浮浪者レオーネ)
バーバラ・レリッキ(アンジェラ)
コンチータ・プギージ(アマンダ)
エレーナ・マルケシーニ(メル:仔猫のダンサー)
バーバラ・マウティーノ(ドーラ:ファースト・フード店員)
ロッセラ・ルーカ(マーラ:白いスワン)
グイド・モルベーロ(若い警部)/
アルド・マッサーソ(年配の警部)/ディエゴ・カサーレ(ベッペ)/
アレッサンドラ・コメーリオ(ベッティ夫人)/ブライアン・エアーズ(マジストラート)/
ダニエレ・アンギウス(ジャコモ:13歳)/ロベルト・カメリオ(マルコ)/
ルーカ・ファッジオーリ(ヴィンセンゾ・デ・ファブリティス)/
ダニエラ・ファッツォラーリ(マリア・ルイーザ)/アルド・デラルーデ/
ジョン・ペデフェーリ(警察エージェント)/アントニオ・レーク(ディスコの男:クレジットなし)


<解説>

ダリオ・アルジェントがジャーロ映画のフィールドに帰ってきた!

豪雨の夜の殺人、残虐な殺人手口、現場に残された奇怪な手がかり。
1983年に起き、封印されたはずの連続殺人事件が、17年後に再び幕を開ける。
人殺しの快楽を忘れられず、毎晩、禁断の欲望にうなされ、
異常な行為を繰り広げる殺人鬼が巻き起こす血塗られた惨劇。

冒頭から、殺人鬼の秘密を偶然知ってしまった娼婦が襲われ、
豪雨の闇を走る電車の中で惨たらしく惨殺され、更に彼女を助けるべく
駅を訪れた友人までもが殺害される、「サスペリア」風の
衝撃的なダブル・マーダーが展開。目の前で母を殺された青年が
当時事件を担当し、現在は引退した老警部と共に事件の謎を解き明かして行く
スリリングな物語は「わたしは目撃者」を、そして事件の手がかりとなる品々-
現場に残された動物の切りぬき、子供向けの童話絵本、
謎めいた歌詞の童謡-は名作「サスペリア2」を彷彿させる不気味なアイテム。
また、人形を使った身代わり演出!も登場。さながらアルジェント・ミステリーの
集大成的な趣きさえ感じられるバラエティ豊かなギミックの連打が圧巻だ。


そして、なによりアルジェントが毎回、必ずこだわってきた
映画ならではの巧みな演出-「歓びの毒牙」のギャラリー殺人、
「サスペリア2」の鏡を使ったトリック、「シャドー」のガラス越しの殺人-と
観客が何気なく見ていた<光景>が後になって実は重要な
意味を含んでいたことが判明するニクイ仕掛けも健在。

最近では「トラウマ」で「サスペリア2」さながらの
<視覚に挑戦するトリック>を見せつけたアルジェントは本作で、
主人公が幼い頃に母親が惨殺される殺人現場で「聴いた」音に
恐るべき連続殺人事件の犯人を示す鍵を隠し、
<聴覚に挑戦するトリック>を観客に突きつける。

そして今回は、アルジェント印の華麗な殺しのテクニックも復活。
娼婦の指が切り落とされ、ダンサーの爪がえぐり取られ、
バレリーナの生首が切断される。アルジェント作品に欠かせない
特殊効果の奇才、セルジョ・スティヴァレッティを起用した残酷シーンは
ここ数年の<ぬるい>アルジェント映画に失望していたファンの
渇きを確実にいやしてくれるだろう。


出演は若手俳優とベテラン組を取り混ぜた、いつものアルジェント形式。
特にベテラン勢ではマックス・フォン・シドーが引退してオウムと暮らす
(「フェノミナ」のD・プレザンスのごとく)老警部役で重厚な存在感を見せるほか、
イタリア映画界からは「インフェルノ」以来、アルジェント作品にはご無沙汰だった
ガブリエレ・ラヴィアと、「タランチュラ」「新・殺しのテクニック」など、
数々のジャーロ映画で異彩を放ってきたイタリア女優ロッセラ・ファルクが登場。
G・ラヴィアは「サスペリア2」と同じような役回りで、そしてR・ファルクは
物語上、重要な役柄(と見事な死にざま)を演じているのが嬉しい。


撮影は「サスペリア2」と同じく、古い歴史を持つ北イタリアの都市トリノで行われ、
「オペラ座/血の喝采」のロニー・テイラーが撮影を担当、
洗練されたライティングでアルジェントが描く惨劇を盛り上げる。
音楽にはゴブリンが起用され、プログレやテクノとは一味違う
新しいサウンドを聞かせてくれる(但し本編での使われ方はイマイチ)。


<物語>

1983年3月。イタリア、トリノの街。
辣腕警部のユリシース・モレッティ(M・V・シドウ)は、このところ
連続して起きている異常な手口の殺人事件を捜査していた。
今回の被害者は若い母親マリア・ガッロ。彼女の息子で
13歳になる少年ジャコモがその殺害現場を目撃しており、
ショックを受けて口も聞けない状態の彼にモレッティ警部が語りかける。
「自分の人生をかけても、この事件の犯人を逮捕する」と・・・。


時は流れ17年後、現代のトリノ。

若いコールガールのアンジェラ(B・レリッキ)は電話で呼び出された
客の部屋でトラブルに会っていた。サディスティックな行為を
要求した客にナイフを向け、必死で威嚇するアンジェラ。
しかし、その客は高額な料金を払うとアンジェラに帰るように言い、
自分はベッドにもぐりこんでしまった。彼女は浴室で顔を洗い、
客の部屋から立ち去ろうとする。
その時、シーツに包まった客が奇妙な独り言を呟き始めた。
「あんなに人を殺したのに・・・彼らは俺を捕まえられない・・・。」



怖くなったアンジェラは部屋から逃げ出すが、慌てたために
テーブルに躓き、卓上の木箱を床に落としてしまう。
なんと、その中には鋭利に光るナイフや手斧が!
床に散らばった私物をバックに放りこみ、恐怖に震えながら
道路へ走り出すアンジェラ。その姿を窓からじっと見つめる眼があった・・・。

自宅へ帰る深夜電車に乗ったアンジェラは、ふとバッグの中身を見る。
すると、そこに見慣れない青いファイルが。どうやらこのファイルは
凶器の入った木箱に一緒に入っていた物らしい。
恐る恐る中を開けてみると、そこには惨たらしい殺人現場の写真と、
1983年の日付がついた新聞記事の切り抜き、そして
殺人願望を秘めた男が、童謡に影響されて殺人を始める
「デス・ファーム」という題名の不気味な小説
が入っていた。



怯えたアンジェラは、女友達のアマンダ(C・プギージ)に
駅まで迎えに来てくれるよう電話をかける。一瞬の後、
再びアンジェラの携帯電話が鳴った。不気味な男の声が呟く。
「泥棒女・・・これから、お前を殺しに行ってやる!」

恐怖でパニックになったアンジェラは電車内を逃げ回り、
車掌に助けを求めた。アマンダからの電話を受け、
気持ちが落ち着いたアンジェラは自分の席へバッグを取りに帰る。
しかし、彼女のコンパートメントには恐るべき殺人鬼の影が・・・。

突然降り出した豪雨の中、列車が駅に到着する。
ホームではアマンダが心配そうにアンジェラの姿を探しているが、
彼女は見つからない。仕方なく、アマンダは列車に乗りこみ、
客車を見て回る。そこでアンジェラが残した青いファイルを発見した彼女は、
動き始めた列車から必死で飛び降りた。凄まじい雨が叩きつける中、
自分の車に戻った彼女は、再び現れた殺人鬼に教われ、
うなじを鋭いナイフで突き刺されて惨殺されてしまう。
犯人は、車内にあった青いファイルを持ち去るが、
その姿を駅の駐車場係ベッペ(D・カサーレ)が目撃。
更に彼は事件現場となった駐車場の隅で、高価な
万年筆を拾う


暴力的な事件が発生したという一報を受け、現場に急行した
マンニ警部(P・M・スカロンドロ)らは、余りに凄惨な手口に眼をそむける。
アンジェラが死の直前に助けを求めた車掌は、彼女が
「昔に起きた小人殺人事件の犯人」に狙われている、と口走った事を証言。
警察は17年前に問題の事件を解決し、現在は引退して穏やかな生活を送る
モレッティ警部の自宅を訪ねる。しかし一線を退いた彼は、容疑者は射殺体で発見され、
事件は全て解決したのだから、自分が話せることは何もないと語った。


この殺人場面に犯人を解く鍵が!


しかし、程なくして第3の殺人事件が起きた。犠牲者となったのは
若者で賑わうクラブ
「動物園」で踊っていた若いダンサー。
暗闇に包まれた閉店後の控え室で、殺人魔は
猫の鳴き声を発して彼女を襲い、
洗濯槽につけて溺死させた。抵抗する彼女に首筋を引っかかれ
負傷した犯人は、被害者の爪に残った皮膚を証拠に残さないために、
残忍にもその指先をハサミで切り落とした。

翌日、死体が発見された現場を警察が検証。
クラブで働く青年マルコは、被害者が殺される前に暗い建物の中で
小人のような人影を見たという。独自の調査を始め、現場に紛れ込んだモレッティは、
ダンサーの死体のそばで
猫の形に切りぬかれた紙を拾う
17年前の小人殺人事件でも、死体の脇には動物の切り抜きが落ちていた。
犯人は異常な事件の模倣犯なのか?なぜ今になって犯行を再び始めたのか?



事件を解く鍵は過去のデータにある。そう確信したモレッティは警察で
小人殺人事件のデータ収集を始める。廊下でマンニ警部と会話する
若い青年の言葉をふと耳にしたモレッティは、彼が17年前の被害者の息子、
ジャコモ(S・ディオニージ)であることに気付く。ローマの中華料理店で
バイトしていたジャコモは、トリノに住む幼馴染みのロレンゾ(R・ジベッティ)から
電話で連絡を受け、再び起きた連続殺人を追うために故郷へ戻ったのだ。
こうして、年老いたベテラン警部と若い青年のにわか探偵コンビが誕生した。

2人は手始めに、ジャコモと彼の母がかつて住んでいたアパートへ向かった。
ジャコモの脳裏に甦る忌まわしい記憶。母親は木材に挟まれて
身動きの出来ない彼の前で、顔面を楽器のイングリッシュ・ホルンで
メッタ刺しにされて殺された。記憶を辿る彼は、
殺人現場で
空気が漏れるような奇妙な物音を耳にしていたことをモレッティに告げる。
その音は、ジャコモを悪夢の中でずっと悩ませ続けてきたのだという。


ジャコモは現場から帰ると、友人ロレンゾの家族に招かれ、
昼食を共にした。ロレンゾの父、ベッティ氏(G・ラヴィア)は辣腕弁護士。
食事中も電話で仕事を受け、ペンをロレンゾから借りて用件をメモするほど。
気の抜けない食事の後、ジャコモ達はロレンゾの部屋で父親について語り合う。
小さい頃から体が弱く、喘息気味だったロレンゾは、完璧な息子を望む父親から
愛が欲しい幼少期に遠く離れた外国の寄宿学校に入れられたことを寂しそうに話す。
ジャコモも、自分の父は暴力を振るう粗暴な男だったと告白。
気詰まり気味になった2人は、かつての遊び友達だったグロリア(C・カセーリ)を
呼び出し、久しぶりの再会を喜ぶ。しかし将来有望なハープ演奏者として成長した
グロリアにはファウスト(R・アッコルローネ)というBFが居た。嫌味な性格の
ファウストは「小人殺人事件」の話を持ち出し、ジャコモを執拗にからかう。
小人殺人事件の犯人=ヴィンチェンゾ・デ・ファブリティス(L・ファッジオーリ)は、
子供の頃、彼らの近所に住んでいた障害児だったのだ。
生まれつき体に障害を持ったヴィンチェンゾは、ジャコモ達よりも年上だったが、
広大な
屋敷の中で大好きな推理小説を読みふけり変名を使って小説を発表し
新作が書けると、その一部を屋敷を訪れたジャコモ達に朗読してみせていた。


翌日、モレッティと共にヴィンチェンゾの屋敷に向かったジャコモは、
窓辺に立つヴィンチェンゾの姿を目撃。邸内に踏み込み、そこで
屋敷の温室に住みついている浮浪者のレオーネ(M・サルキエリ)と出会う。
アル中のレオーネは、
今でもヴィンチェンゾが屋敷に生きており
時々彼と一緒に酒盛りをするのだと話す。モレッティはヴィンチェンゾの書斎から
彼が愛読した推理小説を数冊持ちかえるが、帰り際にレオーネが口ずさんだ
奇妙な童謡に興味を引かれる。それはヴィンチェンゾが良く歌っていた自作の歌だった。
「真夜中、ベッドに一人。これから僕の戦争が始まる。大地を歩く動物たち、
これはどうやってそいつらと戦ったのか、その退治法の歌・・・」
しかし、モレッティはその続きをどうしても
思い出せない
重要な何かが隠されていそうなのに・・・。


その頃、拾った万年筆を餌に犯人を脅迫しようとした駐車場係のベッペが
コメカミを万年筆で突き刺されて惨殺された。犯人はベッペの掌に
「僕は悪い子です」という走り書きを残していた。
一足違いで現場に到着したモレッティとジャコモは、奇妙なメッセージに
目を奪われる。一体、犯人は何者なのか・・・?
そんな折、バールでたまたまジャコモのビールを飲んだロレンゾが
中毒症状を起こした。ビールには
毒が仕込まれていたのだ。
誰が一体、何の為に・・・?入院したロレンゾは幸いにも命を取り留めたが、
父親のベッティはジャコモを罵倒、今後は息子に関わるなと忠告する。

殺人鬼の犯行は続き、飲食店に勤めるドーラ(B・マウティーノ)が襲われ、
顔面を壁に叩き付けられ、歯をボロボロに折られて惨殺される。
そして、
彼女の死体にはウサギの切り抜きが残されていた


手がかりを求め、再びヴィンチェンゾの屋敷へと戻ったモレッティとジャコモ。
彼らはそこで一人の老婦人と出会う。彼女の名はミセス・デ・ファブリティス
(R・ファルク)。世間から殺人事件の容疑者にされ、苦悩の末に
死を選んだ息子の無実を信じ続けたヴィンチェンゾの母親だった。

容疑者として詰問されたヴィンチェンゾは、
彼の新作が何者かに盗まれ
犯人はその手口を真似て犯行に及んでいるのだ、とモレッティに
打ち明けたことがあった。ファブリティス夫人の案内で屋敷内を見て回った
モレッティは、遂にヴィンチェンゾが自作に使用した童謡「アニマル・ファーム」の
全てのフレーズが記された本の切り抜きを発見。そこには豚、雄鶏、ヒヨコ、猫、ウサギ、
そして白鳥を殺し、初めて安息を手に入れる農夫の話が綴られていた。


真夜中なのに まだ眠れない 獣たちと戦おう
朝の1時 こっそり忍び寄り ブタのノドを切り裂いたとさ
朝の2時 雄鶏がコケコッコー 楽器のようなかん高い悲鳴だったとさ
朝の3時 ヒヨコを絞め殺す 眠りを邪魔するうるさい子供だから
朝の4時 ドアに猫の声 水に放り込んで溺れさせたとさ
朝の5時 ウサギをつぶす 暴れてかみついておとなしくなった
朝の6時 白鳥の首をスッパリ こうして最後の敵が死んだとさ
夜が明けると農夫はベッドへ
道具をしまって やっと眠りについたとさ


やはり殺人は童謡に乗っ取って行われていたのだ。
17年前の第1犠牲者となった娼婦のラウラ・ピゴッツィ・・・
彼女の苗字
「Pigotti」は<娼婦=隠語で豚:Pig>を、ジャコモの母親の苗字
「Gallo」はイタリア語で<雄鶏:Rooster>を現していた。
3人目の犠牲者は少女で、彼女は若い鳥
<ヒヨコ:chick>の例えだ・・・。

電車で殺された2人の娼婦は犯人にとって予定外の殺人で、
本当の殺人事件は4番目の猫から始まっている。
犠牲者となったダンサーは、
クラブ「動物園」で猫の扮装をして踊っていた
5人目のドーラは前歯が長く、同僚から”
仔ウサギみたいな顔なのに、
本当に勇敢な女の子”と呼ばれる娘だった。
すると6人目の犠牲者は
<白鳥>になるはず・・・。

それを聞いたジャコモが飛びあがった。今日行われているグロリアの舞台は
「白鳥の湖」なのだ。「白鳥のような衣装を着ている」と電話で話していた彼女が
第6の犠牲者になる可能性もある!彼は車を飛ばして劇場に駆けつけるが、
殺人鬼の魔手は舞台で踊っていたバレリーナを襲い、その首を斧で切断した後だった。


警察は遂に埋葬されたヴィンチェンゾの棺を開けることを決意。
しかし、棺の中は空っぽで、内側には無数の引っかき傷がついていた・・・。
その晩、恐怖に怯えるファブリティス夫人がモレッティを訪ねてきた。
彼女は涙ながらに、恐ろしい秘密を打ち明ける。何とヴィンチェンゾを殺したのは
他ならぬ彼女だったのだ。殺人魔の汚名を着せられ、殺してくれと懇願する
息子を、彼女は深い愛から射殺したのだった。
モレッティから証拠のピストルの行方を尋ねられたファブリティス夫人は、
館に引き返し、隠してあった拳銃を取り出す。そこに何者かの影が・・・。
「ヴィンチェンゾ・・・」恐怖に大きく見開かれた彼女の眼に、
こちらへ次第に歩み寄ってくる小さな姿が写る。怯えた夫人は、
誤って階段の手すりを乗り越えて転落、床に叩きつけられて死亡した。

一方、夫人の去った自室で事件を熟考したモレッティは、
興味深い事実を掴んだ。グロリアの部屋に電話をかけたモレッティは
ジャコモに当ててメッセージを残す。テープに録音されて行くモレッティの声。
その頃、2人はベッドでお互いの体を抱き合い、愛を確認し合っていた。
事件の核心に迫ったモレッティは満足そうに電話を切る。
その背後に、
スーツを着た小さな人影が歩み寄る・・・

<まだ続きをご覧になりたい奇特な方は、文字を反転させて読んで下さい。>


留守電に気付いたジャコモは、モレッティに連絡を取るが、
電話に出たのはマンニ警部だった。モレッティは心臓発作で死んだという。
彼は死の間際に何者かに発砲、空になった拳銃が部屋に残されていた。

ジャコモはモレッティが残したメッセージを、もう一度頭に思い描く。
「いいかい?重要なことが3つある。1つは1983年の殺人事件は
全てヴィンチェンゾの屋敷の周辺で起きているのに、今度起きた連続殺人は
非常に広い範囲に渡って発生している。もう1つは君のお母さんの事件だ。
童謡の歌詞とは食い違いがある。凶器がなぜイングリシュ・ホルンなのか?
そして最後に犯人が駐車係ベッペの掌に残したメッセージだ・・・。」


劇場にハープを取りに戻るというグロリアの車に乗ったジャコモは、
道すがら、デ・ファブリティス夫人の屋敷に向かうレオーネを発見し、
彼を車に乗せてやる。礼を言って車から降りたレオーネが
酒を忘れているのに気付いたジャコモは、彼を追い、屋敷へ足を踏み入れた。
そこで彼が見たもの、それは地下室から小人の人形を運び出すレオーネの姿だった。
ジャコモがあの日、屋敷の窓で見たヴィンチェンゾの姿も、この人形だったのだ。
慌てて車に戻ったジャコモは、グロリアと共にレオーネを追跡、
そして遂に町外れにある一軒の屋敷へ辿りつくが・・・。


(まだ読む?確実に犯人がバレても知りませんよ?:笑)

屋敷に踏み込んだジャコモが見たのは、何体も用意された小人の人形、
そしてレオーネの射殺死体だった。驚愕する彼の前に立ちはだかった人影、
それは銃を手にしたベッティ氏だった。ベッティの放った弾丸はジャコモの肩を捕らえた。
絶体絶命!そこにグロリアとロレンツォが飛び込んでくる。
もはやこれまで、と思ったベッティ氏は自らの頭を撃ち抜いて絶命した。
歩み寄ったロレンツォに「許してくれ、すまない・・・」という言葉を残して。

警察を呼びに電話へ走るロレンツォ。グロリアは必死でジャコモの傷口を止血する。
その時、ジャコモの瞳が光る。モレッティが出した謎が全て解けたのだ。
17年前の殺人事件と今回の事件の違い、それは犯人の行動半径が
広がったことにある。・・・なぜか?ジャコモの母親を殺した凶器は楽器だった。
だが詩の節は「楽器のように甲高い悲鳴を上げた」と書かれていた。
犯人は<インストゥルメンツ>の意味を正確に理解できない人物だったからだ。
そして「僕は悪い子です」・・・それはつまり、出来の悪い子供を意味する。

興奮したロレンツォが口に当てる吸引機、その音は空気が漏れるような音ではないか?

犯人は突然、凶暴な素顔を現した。17年間の空白、それは彼が
イタリアに居なかった時間と一致する。ベッティ氏は犯人の犯行が明るみに出るのを恐れ、
彼を海外に送って隔離していたのだ。犯人が笑いながら語る。
「アメリカやスイスにも童謡はある。僕は他にも沢山の殺人を犯したんだよ。」
彼はヴィンチェンゾの屋敷から新作小説を盗み出し、それを読みふけるうちに
実際に殺人を犯したい欲望に取りつかれ、最初は近所の犬猫を、
やがては自分の周囲にいる者を被害者に選ぶようになったのだ。
<子供>だった彼を疑うものは居なかった。

犯人はナイフを片手にグロリアを人質に取った。
諌めるジャコモとにらみ合う犯人。その時・・・!

 


マックス・フォン・シドゥ Max von Sydow

1929年4月10日、スウェーデンのルント生まれ。
比較民俗学者の父を持ち、軍隊を除隊後、ストックホルムの
演劇学校に入学。演劇の基礎を学ぶ。スウェーデン映画の巨匠、
イングマール・ベルイマン演出の舞台で活躍し、65年の「偉大な生涯の物語」で
ハリウッドへの進出を果たした。「ペレ」でアカデミー主演男優賞に
ノミネートされた演技派だが、ホラー映画のファンには「エクソシスト」の
メリン神父役が印象深い。舞台で鍛えた声と、存在感はホラー映画においても
ある種の風格を醸し出していた。現在、S・スピルバーグの新作となる
「マイノリティ・リポート」への出演が予定されている。
「スリープレス」ではイタリア人の老警部モレッティを演じているが、
確かに知的な雰囲気は良く出ているが、彼はちょっとイタリア人には見えない。

ステファノ・ディオニージ Stefano Dionisi

1966年10月1日、イタリアのローマ生まれ。19歳の時に出演した
TVドラマ「ローズ」で俳優業をスタート、ナスターシャ・キンスキーと共演した
「Il Segreto」(89)で映画デビュー。以後、順調にキャリアを積み、
94年の「カストラート」ではイタリアのアカデミー賞に当たる
ダビデ・ディ・ドナテロ賞を獲得(アーシア・アルジェントも取っているくらい
だから、どの程度の賞かはご想像頂けると思うが)。
最近ではジュリエット・ビノシュが主演した「年下のひと」(99)が公開されている。
「スリープレス」の劇場封切りの直前に、彼が主演したヒューマン戦争映画
「パルチザン/対ナチス解放戦線」がビデオでリリースされる。
それ以外に「遥かなる帰郷」「バンボラ」(共に96)、
「セクシャル・イノセンス」(98)などに出演している。
劇場公開最新作は有名な自殺ソングを材に取った「暗い日曜日」。

 

キアラ・カッセリ Chiara Caselli

この映画ではあまり重要ではない、損な役回りのヒロインを演じる。
1967年、イタリア生まれ。ボローニャの演劇学校を卒業後、
NYのアクターズ・スタジオの講師ドミニク・デファジオのワークショップに
参加しながら、TV・舞台・映画への出演を重ねる。
短編映画「Per Sempre(Forever)」では監督に初挑戦し、
多彩な才能を発揮している。主な出演作は「めざめの時」(91)、
「マイ・プライベート・アイダホ」(92)、「魚のスープ」(92)、
「フィオリーレ/花月の伝説」(93)、「愛のめぐりあい」(95)。
最新作はビデオで見られる「アーク/失われたマヤの財宝」(99)。
この映画で彼女はT2ことロバート・パトリックと共演している。

 

ロベルト・ジベッティ Roberto Zibetti

1971年、アメリカのニュージャージー州生まれ。
現在はトリノ大学で文学と哲学を専攻する現役の学生さん。
1990年頃からTV・舞台・映画への出演を始め、
イタリアで人気のロックバンド、リガブエが初監督に挑んだ
ラジオ局を舞台にした青春映画「ラジオフレッチャ」(98)に出演。
ヨーロッパを中心に活躍を続ける彼は、英語、仏語、そして
伊語がペラペラ。ベルトリッチの「魅せられて」(96)にも顔を出している。

 

ガブリエレ・ラヴィア Gabriele Lavia

アルジェントの傑作「サスペリア2」(75)で病的な青年を熱演し、
長くファンの記憶に残るG・ラヴィアが本作で久々にスクリーンに再登場。
「デアボリカ」(74)、「インフェルノ」(80)、「ゼダー/死霊の復活祭」(83)と
多くのイタリアン・ホラーで、変わらず神経の細そうな青年を演じてきた彼も、
本作ではすっかり貫禄を漂わす初老の紳士になってました。

1942年10月10日、イタリアのミラノで生まれたラヴィアは、
ローマの国立演劇学校を卒業後、舞台俳優と演出家を兼ねた
活動を続けていた演劇人。71年にダミアーノ・ダミアーニ監督の
「ローマの怪物:ジロリモニ(未)」で銀幕デビューを果たし、
前述のホラー作品で日本のファンにもその名を知られている。

80年代から90年代にはTVも含め、数本の作品を演出。
「インフェルノ」の資料には、夫人は舞台女優のアナリタ・バルトロメイと
記されている(2人の間には息子あり)が、彼女とは離婚?し、
「楡の木陰の愛」に主演した美人女優モニカ・グエリトーレと再婚。
夫婦コラボレーションで、「スキャンダル・鏡の中の背徳」(86)、
「ベレッタの女/最後の誘惑」(87)などのエロティック・サスペンスを発表、
愛妻モニカとの共演を自ら演出して話題になった。
最近では、ジュセッペ・トルナトーレ監督の「海の上のピアニスト」(99)
に農夫役で出演している。

 

ロッセラ・ファルク Rossella Falk

この映画で一番嬉しかったのが、ジャーロ映画女優ファルクの復活!
1926年(M・V・シドゥより年上!)11月10日にイタリアの
ローマで生まれた彼女は、50年代の終わりから数多くの
映画に出演(その大半は助演)。
IMDbでは「Vento del Sud (South Wind)」(59)が最初にクレジット
されているが、記載漏れした作品も結構あるのではないだろうか?

有名な公開作としてフェリーニの「81/2」(63)、などがあるが、
やはり記憶に残るのはジャーロ映画での熱演(主に華麗なるその死にざま)。
71年の「新・殺しのテクニック」で階段から転落死する
(本作で演じた最期は、この映画からの引用?)金持ち夫人を始め、
未公開ながらバラエティ豊かな殺人シーンが楽しい
ウンベルト・レンツィ監督の「血塗られた7本の蘭/Seven Blood-Stained
Orchids」ではバスタブで溺死、「タランチュラ」では絞殺、
アルベルト・デ・マルティーノの未公開作「The Killer Is on the Phone」
では・・・未見なので殺されているかどうか、分からないが(笑)。

80年代に入って彼女自身として登場した「Wandering Stars」(83)、
90年代に「Love Story with Cramps」(95)という出演作があるが、
やはり活動ペースは遅め。悠々自適なおばあちゃん、という感じか。
映画ではロッセラという役名が多いが、本名はアントニア・ファルザカッパ。

 

マッシモ・サルキエリ Massimo Sarchielli

事件の意外な黒幕、浮浪者のレオーネを演じた俳優。
意外と手堅い?演技を披露していただけに、
出演作を検索したら、実にドッチャリと成果が上がってしまった。
60年代中頃から西部劇、70年代はマフィア映画と、
関連作は大量にあるが、「レディ・ホーク」(85)の宿屋の主人、
「キャッスル・フリーク」(95)のジャンネッティ役など、
アメリカ映画にも出演しているようす。その他にも
タビアーニ兄弟の「サン・ロレンツォの夜」(82)のマルーギ神父、
「」Devils of Monza (1986)に出演。フルチ作品の「ザ・クロック」、
アルジェント映画では「オペラ座の怪人」でブーケ役を演じている。
最新作はTVの「In Love and War」(2001)と、「Vajont」(2001)。

 

アルド・マッサーソ Aldo Massasso

70年代から活躍をするベテラン俳優。
ルチオ・フルチの「野獣死すべし」や「悪魔の墓場」など、
ジャンル映画にも数多く出演。アルジェントの関連作では
「オペラ座の怪人」のポワデューや、「肉の蝋人形」の
ランヴィン警部役を演じている。

警察系の出演陣。

パオロ・マリア・スカロンドーロ Paolo Maria Scalondro

「スタンダール・シンドローム」でアーシアが演じた
記憶喪失ヒロインと同じ名前・役職を持つ強面の警察官。
当然、80年代の頭から出演作が数本あるが、
ピンと来るタイトルがないような。

バルバラ・レリッキ Barbara Lerici

冒頭で惨殺される売春婦を演じたレリッキは、
本作以外に数本の出演作がある若手女優。
新作は「Da zero a dieci」(2001)。


コンチータ・プリージ Conchita Puglisi

冒頭で殺害される娼婦アンジェラの友人、アマンダ。
セクシー・ボディのフッカーに扮した彼女は、
ジュセッペ・トルナトーレの筆下ろし映画(但し感動作)
「マレーナ」(2000)でもその肉体を生かし、売春婦を演じている。
他にTV映画「Mamma per caso」(97)への出演もあり。

エレーナ・マルシェジーニ Elena Marchesini

殴られた後、プールで溺死させられるダンサーを演じた彼女、
「肉の蝋人形」では娼館に出入りする若いフッカーに扮していた。
画面を注視して探してみます??

アレッサンドラ・コメーリオ Alessandra Comerio
80年代からポツポツと活躍している女優さん。中堅?

ロベルト・アッコルネーロ Roberto Accornero
皮肉屋で、無神経という良いところナシの青年を演じる彼は、
80年代の中頃からキャリアを積みはじめた若手俳優。


ルーカ・ファジオーリ Luca Fagioli
本作の謎を解く鍵を握る小人の推理小説家を演じる彼は、
ランベルト・バーヴァのTV映画「Il Gioco(School of Fear)
題名から察するにホラー?」(1989)や、ヒーロー物?
「I Mitici」(1994)に出演していている俳優。

ダニエラ・ファッツォラーリ Daniela Fazzolari
本作以外にTVドラマ「Non chiamatemi papa」(1997)への
出演がある。


ジョン・ペデフェーリ John Pedeferri
「オペラ座の怪人」でプリンカード医師を、
「スタンダール・シンドローム」では水力機械の技師?を
演じていた俳優。


その他の出演者たち

首を切られて殺されるバレリーナのマーラを演じるロッセル・ラ・ルーカ、
ウサギの歯を持っていたばかりに被害者となる
ファースト・フードの店員ドーラ役のバルバラ・マウティーノ、
犯人を脅迫したばかりに無残にも惨殺される駐車場係ベッペを演じる
ディエゴ・カサーレらは、IMDbで調べる限り、この映画以外に出演作はない人達。


音楽

多くのアルジェント作品を音楽面から支えたゴブリンが
(その名称込みでは)「フェノミナ」以来、17年ぶりに復活!
マッシモ・モランテのギターはバッチリ耳に残るし、
「デモンズ3」なども手がけた影の実力者、
ファビオ・ピニャッテリのベースも快調。
最近、フルチの「ビヨンド」に参加していた?噂も囁かれる
アゴスティーノ・マランゴロのドラムと、いつも流麗な
(流麗過ぎる?)メロディを作り上げるバンドのスター、
クラウディオ・シモネッティの影は若干薄いような気もするが・・・。
日本版サウンドトラックはキング・レコードさんから発売中。

撮影

アルジェントの後期作品には欠かせないカメラマン、
ロニー・テイラーを撮影にクレジット。「ガンジー」(83)で
アカデミー賞を受賞した輝かしいキャリアよりも、
若きブライアン・デ・パルマの「ファントム・オブ・パラダイス」(74)を
撮り上げた人物として記憶に残る名カメラマン。
アルジェントが「オペラ座/血の喝采」(87)で彼を起用したのも、
デ・パルマ作品からの連想だろう。デ・パルマはイギリス人である
テイラーのことを、「イギリスのカメラマンはアメリカの
同業者より強い照明を使い、コントラストの強い画面を作るので
ホラー映画に向いていると思った」と評している。


編集

アーシアの「スカーレット・ディーバ」をご覧になった方なら、
そして雑誌「スケアード」のアーシア・インタビューを読まれた方なら
その名前をご記憶であろうアンナ・(ローザ・)ナポリが担当。
1980年前後から活躍を始め、ピーター・デル・モンテの「小さな炎/
子供は何でも知っている」や、ルチオ・フルチの「新・デモンズ」などを担当。
以後、TVシリーズの編集で腕を磨いた後に、アルジェントの監督作
「オペラ座の怪人」に関わり、ミケーレ・ソアヴィの新作となる
犯罪スリラー(といってもTV映画)「Uno bianca」(2001)」にも参加。
彼女の最も新しい編集作は「L'Assenzio」(2001)。



衣装

アーシアの「スカーレット・ディーバ」を手がけた
スージー・マットリーニが担当。悪口書いちゃって申し訳ないのですが、
この映画の衣装(特に若手俳優、中でもヒロイン)、マジで最悪。
クライマックスで首に鎖をかけて登場するヒロイン、あんたラッパーか?

 

特殊効果

本編に登場する様々な特殊効果を担当したのは、
アルジェント映画ではお馴染みのセルジョ・スティヴァレッティ。

そのアシスタントをしているデイビッド・ブラッキは、
アルジェントの「オペラ座の怪人」辺りから頭角を現してきた人物で、
「ブルータル・デビル・プロジェクト/悪魔のえじき」の
アンドレアス・シュナースがイタリアで撮った未公開の新作、
「デモニウム/Demonium」(2001)では(早くも?)特殊効果の
スーパーヴァイズをしている模様。

脚本

イタリア映画の神様フェデリコ・フェリーニの実弟(!)。
1944年1月5日、イタリアのラ・スパッツィア生まれ。
ピサ大学を卒業後、シネクラブのエッセイストとして活躍
(この辺の背景はアルジェントと一緒。年齢はダリオより4歳若いが)。
76年頃から脚本を書き始め、数多くのジャンル映画にシナリオを提供した。
86年の異色ジャーロ「白い肌にひそむ罠」では脚本と同時に監督に進出。
このテの映画では毎度殺人犯に狙われる娼婦たちが、
団結して犯人に立ち向かうという面白い物語を書いていた。

アルジェント作品には必要不可欠なブレイン・ライターである。
主な関連作は次のような感じ。
「濡れたウィークエンド」(76)、「死体を積んで」(82)、
「類猿人ビンゴ・ボンゴ(アドリアノ・チェレンターノ主演のコメディ)」(82)、
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」(84)、「デモンズ」(85)、
「心の刺」(86)、「オペラ座/血の喝采」(87)、「エトワール」(88)、
「デッド・チャンネル」(88)、「デモンズ3」(89)。

 

原案

アルジェント、フェリーニと共に原案で関わっているカルロ・ルカレッリは
イタリアで最近特に注目されている(ミステリー?)作家。
1960年生まれで、かつてパンクバンドでヴォーカルを務めていた
経験もある彼、日本に紹介されている映画では、
アレックス・インファッチェリ監督の映像派スリラー「ALMOST BLUE」があり、
彼はその(基となった)小説版を書いているようだ。

 

製作

一時期、ダリオとは進む道を別にしていた、アルジ
ェントの実弟、
クラウディオが再び製作を担当。2人のコンビは「マスターズ・オブ・ホラー」から
復活していたようだが、クラウディオの言葉を引用すると、彼らは
血を分けた兄弟ではあるが、全く正反対の性格をしているのだという。
ダリオは芸術家気質の夢想家、クラウディオはもっと実際的な考え方をする
タイプらしい。実際、プロデューサーにはクラウディオのような人物が
最適であり、このホラー兄弟の復活と今後の活躍を切に願いたい。

1943年(ダリオより3歳年下)、9月15日、イタリアのローマ生まれ。
大学卒業後、パラマウント映画のローマ支社で宣伝部に勤務し、
その後、シネマインターナショナル社へ転職。2年後には社長に就任
(なんて言ったって父親はティタヌスの重役だしね。俗に言う
サラブレットというヤツですね)。ローマ全域にアメリカ映画を配給しつつ、
兄ダリオの「歓びの毒牙」で製作者デビュー(実際の製作はもちろん、
父の会社ティタヌス)、それ以降も彼の活躍は続き、
「サスペリア2」(75)、「サスペリア」(77)、「ゾンビ(実際に動いたのは
ダリオという説も濃厚)」(78)、「インフェルノ」(80)、
「シャドー」(82)、「オペラ座(この映画で父サルヴァトーレ死去)」(87)、
「サンタ・サングレ/聖なる血」(89:脚本も兼任)、
「マスターズ・オブ・ホラー」(90)、「Nero」(92)、
「オペラ座の怪人」(98)、「スカーレット・ディーバ」(2000) などを担当。
ビデオでコッソリと発売されたヒューマンSF、
「ディスタント・ライツ/光のエイリアン」(87)にも名を連ねている。



<<映画に関する2、3の覚え書き>>


「動物農場(アニマルファーム)」

1)ヴィンチェンゾがジョン・マッケンジー名義で発表する予定だった推理小説
「デス・ファーム(そのまんま)」を書く元ネタにしていた児童向け絵本。
本編に登場するこの童謡絵本は、完全なオリジナルで、その歌詞は
アルジェントの娘アーシアが書いたもの。エンド・クレジットの最後に
デカデカと彼女の名前が出ちゃうのはどうかと思うが。


2)元々は1945年のジョージ・オーウェルの著書で、英語圏では
学校の教材にも使われるなど、良く知られた書物らしい。
「動物寓話のフォームを通してソビエト神話を暴く」というテーマを持ち、
マザー・グースや、不思議の国のアリスなどと共通の語り口で
社会状勢を揶揄している」とされる。
簡単にお話を書いちゃうと、農場で酷使される家畜たちが、
強欲な農場主に反逆し、勝利を収めるが、今度は彼ら自身の間で
権力争いが起こる、というようなストーリー。

こちらも映画化され、2002年の2月22日に「アニマルファーム」の邦題で
ビデオ・リリース。中身は「ベイブ」の豚が出て来て
喋ったりするファミリー向けのお話らしいが。


3)千葉県・船橋市にある有名なアノ店。
店の名前をココからネタ引きしているのかは不明。
レジのお兄さんにコッソリ「ジョージ・オーウェル?」と訊ねてみよう。

●元ネタ?

殺人犯が楽器の意味を取り違える、というトリックが使用された
小説が存在する。書いちゃうのもなんだけど、
エラリー・クイーンのどれか。


●「モストロ事件」

最近ではイタリアを舞台にした「ハンニバル」でも
ストーリーの味付けに使われた、イタリアを代表する?未解猟奇事件。
犯人像は良く分からず、未だに諸説が飛び交うミステリアスな事件だが、
ダリオ・アルジェントと共に人生を歩んだ女優、ダリア・ニコロディが
インタビューで「モストロ事件」にも言及。犯人について、自分なりの考察を
誌面で披露している。それによると、モストロは裕福な一家の出身で、
親によって守られている(あるいは既に殺されている)というもの。

特別に「スリープレス」と明確な関係があるわけではないが、
アルジェント映画では本作も含め、モストロ事件の影響が色濃く
見られる作品も多い。(例えば「フェノミナ」の製作時には、
アルジェント自身がモストロが起こした一連の事件から得た発想を
ストーリーに活かした、とコメントしていた。)
(モストロ事件を直接映画化した作品もあり。
詳しくはこちらをクリック。)


●「リビエラ海岸寝台列車連続殺人事件」

インターネットを調べたらこういう名前が挙がってきたが、実際の事件が
こう呼ばれていたかは不明。だいぶ前になるが、日本のTVニュースでも放映された、
モストロ以来?のイタリア発・猟奇殺人事件がコレ。
夜明けに走行中の寝台列車に乗った女性がピストルで(確か後頭部を狙って)射殺され、
その死体がトイレで発見される事件が毎週たて続けに起きた。
犯人は捕まらず(多分、今でも)未解決のまま。
「スリープレス」の冒頭で展開される列車内の事件は、これを彷彿させた。
携帯電話の使い方とかはまんま「スクリーム」だけど・・・(死)。

●プリントのこと

日本公開版は「SLEEPLESS」とタイトル・クレジットの出る英語版。
「デス・ファーム」のタイトルも、本文の記述も全て英語。
日本上映版と米盤DVDの内容は同一のようす。

(しかし、焼き具合が微妙に暗い。どうしてあんなに暗いんだろう?)

イタリアでリリースされたDVDは伊語プリントを使用しており、
バージョン違いなどはないが、上で英語記述されている部分が
全てイタリア語で書かれている。東京での上映時に販売された
メイキング・ビデオも映像特典として伊版予告編と共に収録されている、

●間違いさがし、ほか

早速、やってしまいました。第2の殺人が起こる前、アンジェラを探して
列車内に入ったアマンダが、青いファイルを見つけて客車の廊下を走るショットで
彼女の着ているジャケットが脱げているのに、列車から飛び降りる瞬間には
キッチリ着た状態に戻っている(あぁ・・・ヒマ人)。ついでにG・ラヴィアが
食事中にペンを探してスーツのジャケットを探る場面では、彼は異常なほど
汗をかいてました(ワイシャツがビショビショ)。久々の映画出演で緊張したのか?
それとも現場が異常に暑かったのかな??

 

 

 

 

 


楽しんで貰えたカナ?